向き不向き

未経験で入ってきた人を15年見てきた。続いた人と辞めた人の差

差は根性でも要領でもありませんでした。「できません」と言えるかどうかでした。向いていないと思っている人ほど読んでほしい話です。

てん|建築業界20年、うち施工管理15年。現場側にいます2026-08-12

「自分は向いていない」と思っている人に、先に結論を書きます。
15年見てきて、続いた人と辞めた人の差は、根性でも要領でもありませんでした。

未経験は、2〜3年かけて育てる前提だった

これまで関わってきた会社関係者は、協力会社や職人も含めて体感で50人くらいです。 数えた記録ではないので、あくまで感覚です。 そのうち自社の正社員で完全な未経験だったのは3〜4人。 完全な未経験というのは、その業種の仕事を一度もしたことがない人のことです。

その人たちが、どう育っていったか。

  1. 入社後1〜2ヶ月は、先輩に同行するだけ

    いきなり現場や商談に一人で放り出されることはありませんでした。

  2. 次に、お客さんの前に立たない作業から

    完成した家のアフター対応など、いきなり営業には出しません。

  3. 2〜3年かけて、話せるようになってから前に立つ

    時間軸が最初から長く取ってあります。

結果どうなったか。全員、普通にできるようになりました。いまは私と同じようなポジションで働いていますし、私より上の役職になっている人もいます。

「未経験だから入れない」ということは、まったくありません。ただし、2〜3年かけて育てる時間軸を持っている会社かどうかで、その後がまるごと変わります。 ここは入る前に見るべきところです。

最初に任される仕事は「自分で直す仕事」じゃない

最初に任される「アフター対応」というのは、実際にはこういう流れです。

  1. 完成した家で問題が起きている、と依頼が入る
  2. 内容を確認して現地へ行く
  3. お客さんに状況を聞いて、写真を撮る。使い方も確認する
  4. それを、工事した職人・協力会社にもう一度伝えて、直してもらう

自分で直すわけではありません。「正確に聞いて、正しく伝える」——これができれば成立する仕事です。 専門知識や体力より先に必要なのは、そこでした。

当時の新人

もう、お客さんの前に一人で行くんですか?

てん|建築業界20年

不安なのは分かります。でも実際にやってみると、ハードルは思ったより低いはずです。

最初に求められるのは「お客さんから内容を聞くこと」で、自分から何かを説明する必要はありません。「自分から話さなくていい」と分かった瞬間に、みんな普通にできるようになっていきました。※ 記憶をもとにした要約です

もう一つ、専門知識より先に効くことがあります。分からないことを、その場で分かったふりをしないことです。

現場で原因を聞かれて、知ったかぶりで答えるのが一番まずい。 正しいのは「社内で確認してきます」と持ち帰り、事実を確認して、そのまま報告することです。嘘をつかずに、確認して報告する。それだけで回る仕事なので、未経験でも入れるんです。

辞めていったのは、頑張りすぎる人だった

ここが、この記事で一番書きたいところです。

辞めていったのは、能力が低い人ではありませんでした。 最初から頑張りすぎる人、無理に動こうとする人が、いっぱいいっぱいになって辞めていきました。

とくに分かりやすいのが、「何でもできます」と言ってしまう人です。

本人が言うこと受け取る側で起きること
「何でもできます」できるんだと思って、確認しなくなる。ズレたまま進む
「できません」最初だししょうがない、じゃあここからやろう、と思える
「何でもできません」正直ではあるが、任せられない

「できます」と言って自分で突き進み、後になって「全然違う方向で進んでる」と分かるタイプ。これが一番辞めていきました。本人はサボっていません。むしろ逆です。

続いた人がやっていた、たった一つの聞き方

続いた人は、揃ってこれができました。

「一回、自分で考えてみたけど、これで合ってますか」

何でもかんでも「教えてください」だと、覚えられません。
かといって、何も聞かずに突き進むと、方向がズレたまま時間だけが過ぎます。
自分で考えた案を持って、途中で確認する。これができる人は、ほぼ全員続きました。

これは施工管理に限った話ではないと思います。ただ、この仕事は関係者が多いぶん、途中でズレを直せるかどうかが、そのまま消耗の量になります。

ついでに書いておくと、同じ現場も、同じお客さんも、一つもありません。だから何年やっても、知らないことは出てきます。 ベテランでも、その場で全部に答えられるわけではありません。「分からないことは分からない」と早い段階で言えるようになっておくと、後がずっと楽です。

学歴に自信がない人へ

結局のところ、この仕事は経験して覚えていくものがほとんどです。 「勉強ができるか」より、「経験したことを、次に活かせるか」のほうが効きます。

面接でも同じです。「こういうことがあって、こう学んで、こう変えた」という話がいくつか具体的に話せれば、 「この人は経験を次の行動に変えられる人だ」と伝わります。 そう思ってもらえれば、「これから経験すれば普通にできるようになるだろう」と見てもらえます。

学歴そのものは、勉強を頑張った・試行錯誤した結果として出てきているものにすぎません。小さいことでいいので、「学んで、変えた」話をいくつか用意してください。それが材料になります。

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この記事は、運営者本人が現場で見たことをもとに書いています。 会話は記憶をもとにした要約で、実際の言葉どおりではありません。 体感で書いている数字は、数えた記録ではありません。
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