転職の順番
確かめることを、確かめる順に並べました。
私が飛ばして後悔した工程です。上から順に、1つずつで大丈夫です。
先に、一番大事なことを書きます。
準備は、机の上では仕上がりません。動きながら仕上がります。
自分の正解・エージェントの正解・企業の正解は、全部違います。 だから完璧に整えてから動こうとすると、いつまでも動けません。受けて、返ってきた反応で直す。この順番のほうが速いです。
STEP 0:いま辞めるかどうかは、決めない
最初に決めるのは「辞めるか」ではありません。何を守るかです。
この3つのうち、どれを守りますか。
- 年収を落とさない
- 場所を動かない(転勤・単身赴任をしない)
- 現場常駐から離れる
3つ全部は、たいてい同時に取れません。1つ選んで、残り2つは順位をつける。ここが決まらないまま求人を見ると、必ず「今の会社でいいか」に戻ります。
もう一つ、STEP 0でやることがあります。いまつらい原因を、2つに分けることです。
① 仕事そのものが合わない
→ 職種を変える話になります。年収は下がりやすい
② いまの会社・現場の組み方の問題(人が足りない・掛け持ち・休めない)
→ 会社を変えれば消えます。業界を出る必要はありません
多くの人は①だと思い込んでいます。実際は②が混ざっていることが多いです。分けずに辞めると、行き先が「業界を出る」しか残りません。 判断材料は同じ施工管理でも、会社と場所が変わると別の仕事になるに書きました。
「資格を取ってから動く」の順番を、一度だけ疑ってください
動くのは資格を取ってから。そう考えている人はとても多いです。私自身がそうでした。
ただ、資格取得でいちばん苦しいのは、試験の難しさではありません。まとまった勉強時間が確保できないことです。 そして時間が作れないのは、多くの場合いまの環境そのものが原因です。
つまり「資格 → 環境」の順番でいる限り、資格を取るための時間がいつまでも作れない、 という詰まり方をすることがあります。環境が先に変われば、勉強時間のほうが作れるようになる場合があります。
どちらが正解と決まっているわけではありません。ただ「資格が先か、環境が先か」は、一人で考えても答えが出ない種類の問いです。面談で現状を話すと、いまの経歴でどこまで通るのかが分かります。それを見てから決めても遅くありません。
いまの悩みが「年収」なら、見る軸が変わります
ここまでは「忙しさ」と「働き方」を軸に書いてきました。もし悩みが年収の伸び悩みなら、効く軸は別です。
年収に直結しやすいのは、この3つです。
- 元請けか、下請けか
- 会社の規模
- 扱っている工事の金額規模
職種や分野をどれだけ動かしても、この3つが変わらなければ年収は動きにくいです。 逆に、すでに資格を持っているのに年収が伸びていないなら、足りないのは資格ではなく、いまの会社の立ち位置かもしれません。
STEP 1:やった仕事を5つだけ書き出す
スマホのメモで構いません。今日やった仕事を、5つだけ書いてください。格好よく書かなくて大丈夫です。
次に、その横に「これって、つまり何をやってる?」と書き足します。
| 書いたこと | 言い換え |
|---|---|
| 職人に電話して、明日の段取りを確認した | 複数の関係者との日程調整 |
| 材料が間に合わず、別の手を打った | 納期遅延が起きたときのリスク対応 |
| 施主と職人の間に入った | 利害の異なる相手との折衝 |
| 遅れた分の工程を組み直した | 進捗管理・工程管理 |
| クレームの一次対応をした | 問題解決・顧客対応 |
最後に、1つだけ選んで「そのままだったら、どうなっていたか」まで書きます。 材料が遅れた→別業者と工程を調整した→現場を止めずに済んだ。 これで「納期トラブルが起きたとき、関係各所を調整して工程への影響を抑えた経験」になります。
てん|建築業界20年
私はここで失敗しました。職務経歴書に「コミュニケーション能力があります」としか書けませんでした。
本当は、月に何件の物件を持って、何件の商談をして、何件を完工させて、 アフター対応を何件、平均何日で終わらせているか——その数字で話すべきでした。
ただし、盛らないでください。数字が低いなら、「なぜできなかったか」「どう改善したかったか」とセットで正直に話す。背伸びして入っても、あとで苦労して2〜3ヶ月で辞めることになります。
STEP 2:複数に登録して、情報を渡す
ここは、私が実際に止まったところです。
10年前の私
登録はした。でも、自分が欲しいと思える求人が、1つも来なかった。それで、そのまま止まった。
自分の経験をちゃんと伝えられていなかったのかもしれません。 希望を言えていなかったのかもしれません。どちらが悪いとも言い切れません。ただ、そこで止まったのは事実です。
だからこう考えています。ちゃんと要望を聞いたうえで、 「ここならできる」「こういうのもあるよ」と自分の欲しい情報をくれる相手に当たるまでは、 複数に登録して、情報を渡しておいたほうがいい。
「忙しいから」ではなく、「1社目で当たらなかったから止まる」のほうが、たぶん多いです。 最初から複数に渡しておけば、そこで止まりません。
STEP 3:面談を2〜3件入れて、比べる
比べずに入ると、後悔します。私がそうでした。
1回目の転職は、前の上司が独立して「うちに来ないか」と言われて決めました。転職活動を、ほとんどしていません。その代わり、いまの会社がどういう状態なのかも、条件面がどうなのかも、比べませんでした。入った後に、少し後悔しました。
面談は30分〜1時間で、オンラインで終わります。転職を決めている必要はありません。むしろ、決まっていない状態で話すほうが材料は集まります。
STEP 4:「味方になるか」で選ぶ
ここは、はっきり書いておきます。
相談先も、仕事でやっています。
内定が決まればお金になるので、そこまでのアシストはかなりしてくれます。その代わり「この人は企業に入れるか」の見極めはシビアです。
だからこちらも「この人は自分の味方になるか」を見る必要があります。片方だけが選ぶ場ではありません。
見るところは2つです。①こちらの要望を聞いたうえで求人を出してくるか。 ②そもそも情報(求人)を持っているか。「そんなの自分で調べられる」というものしか出てこないなら、そこは合っていません。
その一方で、担当者の一言で進路が変わることがあります。
そのとき言われたこと
「今までやってきた仕事なら、こっちの分野も十分いけるのでは」
※ 記憶をもとにした要約です。実際の言葉どおりではありません
私は資格を持っている職種に絞って10社受け、書類は通るのに面接で毎回落ちていました。 行き詰まっていたときに言われたのが、これです。 紹介された2社とも選考が進み、自分では絶対に受からないと思っていた会社に、するすると通りました。自分1人では、絶対に思いつきませんでした。
もう一つ。紹介されたリストの中からしか選べない、ということもありません。自分から「ここを受けたい」と言って、実際に採用まで進んだこともあります。
STEP 5:入る前に、これだけ聞く
ここまで来たら、確認することは1つで足ります。
「入って半年、私は何をやっていますか」
作業の名前しか出てこない会社と、人前に出る時期を言える会社があります。ここが分かれ目です。
私は、育たない側も、育つ側も経験しました。
| 育たなかった会社 | 育った会社 | |
|---|---|---|
| 入社時 | 研修なし | 約1ヶ月、先輩に同行 |
| 役割 | 社長がやりたいことの補佐 | 基本を覚えたら、どんどん前に立つ |
| 会社が増やしたいもの | 作業をする人 | 仕事を取ってくる人 |
| 5年後 | 大きな経験にならなかった | 一人で回せるようになった |
判別の軸は、これです。
その会社は、あなたを「人工(にんく)」で数えるのか、「名前」で呼ぶのか。
「明日3人お願い」と数えられる立場で入るのか、 「◯◯さんに来てほしい」と指名される立場で入るのか。
作業量を増やすための人員として入ると、育っていくのはかなり大変です。しかもその手の作業は、これからAIがどんどんやってしまう可能性があります。
ちなみに、資格がなくても入っている人は普通にいます。入ってから取れば問題ありません。 あれば面接でプラスにはなりますが、資格がないこと自体は、この業界では止める理由になりません。
最後に
2回目の転職のとき、私は強制的に休みを取らされた時期がありました。 その夜、泊まっていた先で子どもが寝たあと、妻とその日の話をしていて、こう言われました。
妻
「いい会社に就職したね」
※ 記憶をもとにした要約です
順番を守れば、必ずこうなるとは書けません。そこまでは保証できません。
ただ、確かめずに決めた1回目では、この言葉は出てきませんでした。違いは、それだけです。
まずSTEP 0だけ、今日やってください。
年収・場所・現場常駐のうち、どれを守るか。決めるのはこれだけです。登録も申し込みも、そのあとで間に合います。
先に記事を読む※ 対象になるかどうかはトップの30秒チェックで確認できます
この内容は、運営者本人の2回の転職と、現場で見てきたことをもとにしています。 会話は記憶をもとにした要約で、実際の言葉どおりではありません。 転職の結果を保証するものではありません。
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